【ものづくり補助金】事業計画書の書き方

【ものづくり補助金】事業計画書の書き方

2020年8月13日
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売上や利益を伸ばすための良いアイデアを思いついたので、それが実行できる最新設備が欲しい。
そのために、ものづくり補助金を使いたい。
だから、補助金の事業計画書を作る必要がある。

とはいっても、どうやって事業計画書を作ればいいんだ。
書こうと思っても、全然筆が進まない。

そういう経営者さんも多いと思います。

この記事では、ものづくり補助金の書き方に困っている経営者さんに向けて、事業計画書の書き方のコツをお伝えします。

1.テーマとアウトラインを決める

まずは事業計画書のテーマとアウトラインを決めましょう。

このテーマとアウトラインが決まらなければ、事業計画書を書き始めても、迷子になります。
書きながら、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、自分でも何を書いているのか、分からなくなります。

必ずテーマとアウトラインを決めてから、事業計画を作成するようにしましょう。

2.テーマ

テーマは、その文章で何を言いたいのか、何のための文章かということです。
つまり、テーマとは文章を書く目的を決めることです。

では事業計画書におけるテーマとは何でしょうか?
それは「事業が成長するためのストーリーを伝える」ということです。
採択されやすい事業計画書は、事業が成長していく姿がイメージできます。

補助金を出す国も企業に成長してほしいと考えています。
補助金を投入した企業の事業が成功して、売上を伸ばし会社が成長すれば、税金を多く納めてもらえるからです。

①具体的な成功ストーリーとは

では事業が成長するストーリーとはどのようなものでしょうか。
それには、必ず克服すべき課題とその解決が必要になります。
困難な課題があり、その課題を解決して、成果をえて、売上を伸ばしていくという具体的な流れです。

たとえば、次のようなストーリーになります。
「従業員5人の製造業に、精密部品を5日で納品するという加工依頼がきている。
 しかし、現状では熟練技が必要な精密部品を5日で高精度に加工することはできない。(困難な課題)
 そこで熟練技が実現できる最新設備を導入して、精密部品を5日で生産する体制を整える(課題の解決)
 これにより取引先からの信頼を得て、精密部品の受注量を増加させていく」
という、困難な課題を解決し、成長していくというストーリーです。

困難な課題の解決というステップがなく、成果を得たときのイメージだけでは不十分です。
たとえば、他社と差別化できる、市場シェアが拡大できる、新規技術が開発できる、という成果の説明だけでは成長のイメージは伝わりません。

②テーマを固める

このような事業の成長ストーリーを、事業計画書を書く前にテーマとして固めます。
このテーマが自分で明確にイメージできるようになって初めて、自分が書いていく事業計画書の到達点が明確になります。
つまり、どこに向かってこの文章を作成していけばよいかの目的地が定まります。
これが、事業計画書を書いていて迷子にならないためのコツです。

ちなみに、この固まったテーマに30字程度で名前を付けると「事業計画名」になります。
事業計画名は、成功ストーリーのプロジェクト名とも言えます。

また、100文字程度で概要をまとめると「事業計画の概要」になります。

事業計画の概要の作り方については、「事業計画の概要」の書き方で詳しく解説しています。

3.アウトライン

アウトラインは、テーマを実現するための枠組み(アウトライン)です。
アウトラインは、何を、どれから、どのくらい書くかという設計図になります。

アウトラインを作るとは、「何を」という材料を集めて、「どれから」という順番を決めて、「どのくらい」という分量を決めることです。

そして、採択されやすいアウトラインは、審査項目が意識されています。
例えば、以下のような内容です。

・製品やサービスの開発が革新的であるか?
・課題解決の方法が明確で具体的か?
・事業化の方法・スケジュール等が具体的か?

この審査項目をできるだけ多く満たすことが採択に近づく第1歩になります。
審査項目について詳しく知りたい方は、コチラをご参照ください。

実は、ものづくり補助金の場合、このアウトラインには、決まった型があります。
この型は、経済産業省のものづくり補助金の書き方のサイトでも紹介されています。

では次に、私が考える具体的なアウトラインをご紹介します。

具体的なアウトライン

私は以下の項目立てでアウトラインを作成することをおススメしています。
このアウトラインがおススメな理由は、採択の基準となる審査項目がスムーズに盛り込め、かつ審査基準を満たす根拠も違和感なく示せる順番になるからです。
この順番で申請書をつくっていくと、採択されやすいストーリー仕立ての事業計画書が自然に仕上がります。

●その1:補助事業の具体的取組内容
 1.当社の現状
 2.事業に取り組む背景
 3.具体的な課題
 4.課題の解決策と期待できる効果
 5.事業の実施体制
 6.具体的な取組内容とスケジュール

●その2:将来の展望
 7.ターゲット市場(ユーザー)
 8.事業成果の優位性
 9.売上目標とスケジュール

●その3:会社全体の事業計画
 10.事業化スケジュールと売上目標
 12.事業計画の算出根拠

アウトラインの各項目については、別の記事で詳しく解説していきます。

事業計画の書き方まとめ

事業計画書の書き方に正解はありません。
しかし、事業計画書がどのような基準で審査されるのかについては、審査基準で明確に示されています。
事業計画書の書き方についても「応募申請にかかる留意点」として、公募要領に示されています。
このような内容をしっかり読み込み、申請書に反映させることで採択に近づきます。

例えば、応募申請にかかる留意点には、次のようなことが書かれています。
・事業計画書の具体的内容については、審査項目をよく読んで作成してください。
・計10ページ以内での作成にご協力ください。

記載の分量で採択を判断するものではありません。
・必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記載してください。

こうした情報を参考にして事業計画書を作れば、採択の確立はかぎりなく上がっていきます。
こうした「審査基準」や「応募申請にかかる留意点」が記載されている公募要領を読み込むことが採択への第1歩になります。
文字がびっしりと書かれた公募要領を読むことは大変ですが、しっかりと取り組みましょう。