1000万円がもらえる「ものづくり補助金」
いざ申請をしようと公募要領を見てみたが、文字が多くて読む気がしない。
何から手を付けていいかわからない。
そう思った社長さんのために、ものづくり補助金のはじめ方をわかりやすく解説します。
この記事は、おおよそ3分で読めます。
目次
【ものづくり補助金】3分で始め方がわかる
自社はものづくり補助金が使えるのか?
まずは、自分の会社がものづくり補助金を使えるかどうかを確認しましょう。
公募要領では、ほぼすべての中小企業が補助金を使える対象となっています。
「サービス業は使えない」といった業種での制限はとくにありません。
また、個人事業主でも使えます。
しかし、以下の2つの理由で一部の企業は補助金が使えません。
1.資本金と従業員数
確認する1つ目のポイントは、資本金と従業員数です。
業種ごとに資本金額と従業員が異なります。
例えば、製造業、建設業、運輸業であれば、資本金3億円以下、従業員数300人以下となります。
サービス業であれば、資本金5000万円以下、従業員数100人以下です。
自社が、この要件に当てはまらなければ、補助金の対象外です。
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2.「みなし大企業」かどうか
2つ目のポイントは「みなし大企業」かどうかです。
自社がみなし大企業であれば、ものづくり補助金は使えません。
みなし大企業とは、自社株式の3分の2以上を保有している大企業があるなどの理由により、実質的に大企業とみなされる中小企業のことを言います。
自社が大企業のグループ会社である場合は、出資比率などを確認する必要があります
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事業計画を考える
その事業は本当に必要か?
次に、ものづくり補助金を活用して行う事業は自社にとって本当に必要かどうかを検討する必要があります。
例えば、取引先から魅力的な受注単価で製品の加工依頼が来ているが、求められる納期が非常に短いため依頼を受けることが出来ないとき。
この場合は補助金を活用して新たな設備投資を行えば、生産性が向上する見込みが出てきます。
生産性が向上すれば、納期が短くなり、新たな取引につながる可能性があります。
これは自社にとって必要な事業です。
一方、優れた新機能を搭載した新しい設備がリリースされて欲しくなっているとき。
もしくは、補助金がもらえるのであれば、前から欲しいと思っていた設備を購入したいと考えているとき。
こういった場合は要注意です。
新機能を搭載しているので、何かしらの生産性は向上するでしょう。
しかし、いくら生産性が上がっても顧客のニーズを満たすことができなければ事業としては成立しません。
具体的な仕事に結びつく道筋が明確に見えているが課題があるため実現できない場合。
これが補助金を活用するときです。
事業の展望を慎重に検討し、自社にとって本当に必要だと思える事業であることが大切です。
補助金がもらえるからと必要性の低い設備投資をすれば、大きな負債を抱えるリスクを背負う羽目になってしまいます。
投資する設備の納期を見積もる
自社にとって必要な事業であることを確信し、補助金を使って購入したい設備が決定したら、次に確認することは、設備の納期です。
部品の供給が追い付いてない等の理由から、設備の納期が半年以上も先となっている場合は、要注意です。
こういった場合は、補助金を申請する時期を再検討すべきです。
ものづくり補助金には事業の実施期間というものがあります。
申請した期間内に設備投資を行い、設備の購入代金を支払わなければ、補助金はもらえません。
設備の購入予定先に納期を確認して、事業実施期間内に設備が納品される見込みがなければ、申請を見送ることをお勧めします。
事業にかかる資金の準備
設備の納期が事業期間内に間に合うことが確認出来たら、次は事業にかかる資金の準備です。
補助金は事業の実施後にもらうことになっています。
そのため、事業にかかる資金はいったん自分で用意しないといけません。
補助金の事業に回せる自己資金がある場合は、その資金を活用できますが、手元に資金がない場合は、金融機関から融資を受ける必要があります。
事前に金融機関に相談して、スムーズに資金を融通してもらえるようにしておきましょう。
提出書類の確認をする
必須の提出書類はたった3点のみ
ものづくり補助金はインターネットの公式申請サイトから応募します。
申請サイトに添付する必要最低限の書類は、わずか3点です。
1.事業計画書
1点目は、提出書類でもっとも重要な事業計画書です。
どんなに素晴らしい事業計画でも、その素晴らしさが伝わらなければ、補助金の採択はされません。
採択されるために必要な内容がしっかりと伝わる事業計画書を作る必要があります。
幸いにも、ものづくり補助金は、審査項目が公開されています。
こうした審査項目をしっかりとおさえることが、採択への近道となります。
ものづくり補助金の審査項目を公開していますので、ご活用ください。
※採択される補助金申請書の書き方について
リンク貼り付け
2.賃上げ表明書
2点目は、従業員の給与支給総額を年率1.5%以上引き上げることを表明した書類です。
年率1.5%ということは、3年で4.5%以上の引き上げです。
例えば、給与支給が年間5000万円かかるとすれば、3年間で225万円以上の引き上げとなります。
つまり補助金を活用するならば、225万円以上の固定費アップをカバーできるだけの事業を作らないと補助金のメリットがありません。
ものづくり補助金で行う事業には、こういった事業の展望があって、従業員に賃上げを表明することが必要となります。
3.決算書
最後に、2期分の決算書が必要になります。
すべての決算書類が必要ではありません。
以下5点が必要最低限の書類です。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 製造原価報告書(なければ添付の必要なし)
- 販売管理費明細(なければ添付の必要なし)
- 個別注記表(なければ税理士の先生に作ってもらいましょう)
ちなみに、個人事業主の方は、確定申告書になります。
加点項目に必要な書類の確認
追加で提出したい書類が加点項目に関する書類です。
ものづくり補助金は、採択審査委員会によって審査され、点数の良い事業者から採択されます。
そのため、1点でも多くの点数を取ることが採択されるためには重要になってきます。
加点項目に関する書類は、全部で4種類あります。
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4つのなかでも「事業継続力強化計画」の認定取得は、比較的取り組みやすい加点です。
公募が始まる前に取得しておけば、追加の提出書類の準備もスムーズです。
まとめ
ものづくり補助金何から始めていいかわかったけど、手間がかかりそうだし、めんどくさそう。
しかも、賃上げのことを考えたら将来のコストが意外と高くて、あまりメリットない。
そうなんです。ものづくり補助金は手間がかかります。
賃上げなど将来かかってくるコストにも備えないといけません。
しかし、取り組んだ事業が波にのれば売上や利益の増加をもたらします。
国に認められた革新性ある事業ということで従業員のモチベーションアップにも貢献します。
企業は補助金額以上のメリットを受けることができます。
ものづくり補助金に取り組むにあたって重要なことは、本業を活かすことです。
補助金をもらうことを目的にしてはいけません。
そのために、会社に利益をもたらす事業計画を立てることが重要です。